前回は「禁じ手に踏み切った山本五十六〜反対から消極的賛成へ回った草鹿参謀長と困り果てる伊藤軍令部次長・海軍兵学校の先輩と後輩・大先輩永野総長の登場〜」の話でした。
山本五十六の決意:奇襲攻撃実行部隊の猛訓練

軍令部と連合艦隊の間で、ハワイ真珠湾奇襲攻撃の是非が論じられている間も、実行部隊は猛訓練を続けていました。
大西瀧治郎・源田実らによって、ハワイ攻撃に向けた具体的計画の詰めが行われていました。
そして、

月月火水木金金の
休みなしだ!
猛烈な実地訓練が内地(日本国内)で行われていました。





将兵たちは、
実に懸命に励んでいるな・・・




第一航空戦隊(南雲司令長官直卒):空母 赤城・加賀
第二航空戦隊(山口司令官) :空母 飛龍・蒼龍
第五航空戦隊(原司令官) :空母 翔鶴・瑞鶴
決定は少し先ですが、概ね空母4隻ほどが真珠湾攻撃に向かう方向です。


各戦隊の隊員等は、真珠湾奇襲攻撃を成功させるために、一生懸命訓練に励みました。
文字通り「血の滲むような」努力を続けていたのです。
真珠湾周辺が浅瀬であったため、魚雷での攻撃は困難を極めました。



魚雷の深度を、
かなり浅くしなければ・・・



かなり難しいが、
やってみよう・・・
ここで、魚雷の工夫と「月月火水木金金」の決死の訓練。
そして、なんとか「攻撃の成功」が見込まれました。
反対続けた南雲忠一司令長官:奇襲攻撃の最高責任者の憂鬱


作戦の総指揮を執る南雲忠一 第一航空艦隊司令長官。
元々、真珠湾奇襲攻撃に反対していた南雲長官は、依然として反対の姿勢でした。
もともと、山本長官と南雲長官はあまり折り合いが良くない関係です。



山本長官は、
一体何を考えているんだ!
その中、永野軍令部総長がトップダウンで決定した真珠湾奇襲攻撃。





山本が、それほど言うなら、
やらせてみよう!



真珠湾奇襲攻撃を
裁可する!





・・・・・
本来ならば、次長である自分が拒否すれば廃案と出来る権限を持っていた伊藤整一 軍令部次長。



なぜ、
こんなことに・・・
つい最近まで、連合艦隊参謀長として山本長官に「仕える立場」であったこともあり、



山本長官を
支えるのが、私の役目だが・・・



軍令部としては、
原油の確保を最優先しなければ・・・
様々な思いが交錯し、板挟みの状況にあった伊藤次長。



大変なことに
なった・・・
とにかく、奇襲攻撃実施が決定する中、「実行部隊の決定」を急ぐ軍令部。
空母飛龍・蒼龍の二隻は「航続距離がやや短い」などの理由により、真珠湾奇襲攻撃部隊から外されたのです。



飛龍・蒼龍は、
攻撃部隊から外します。



本来なら空母6隻の
打撃力が欲しいが・・・



まあ、
やむを得ん・・・
「第一航空戦隊と第五航空戦隊の空母四隻で、ハワイ真珠湾奇襲攻撃実施」と決まりました。



私の決意を、
皆がやっとわかってくれた!
空母:赤城・加賀・翔鶴・瑞鶴の四隻の奇襲部隊へ:怒る山口司令官





永野総長の決裁だから仕方ないが、
この作戦は無理がある。



投機性が強すぎて、
ほとんど博打だ・・・





空母四隻を、
この博打のような作戦に出動させるのは・・・



本意ではないが、
やむなし・・・
空母飛龍・蒼龍は「航続距離がやや短い」のは事実ですが、最新鋭空母でした。
おそらく、軍令部の本音としては、



危険すぎる
作戦だ・・・



下手をしたら、
空母が撃沈される・・・



最新鋭空母である
飛龍と蒼龍は保全しよう・・・
「二隻の空母は保全」が本音だったのでしょう。
そのために、攻撃部隊から「外される」形となった飛龍と蒼龍。
そして、飛龍・蒼龍をまとめる第二航空戦隊司令官は、熱血漢で有名な山口多聞でした。


ここで、「奇襲攻撃から外された」飛龍・蒼龍を率いる山口多聞 第二航空戦隊司令官。
海軍兵学校卒業期 | 名前 | 役職 |
28 | 永野 修身 | 軍令部総長 |
31 | 及川 古志郎 | 海軍大臣 |
32 | 山本 五十六 | 連合艦隊司令長官 |
36 | 南雲 忠一 | 第一航空艦隊司令長官 |
39 | 伊藤 整一 | 軍令部次長 |
40 | 山口 多聞 | 第二航空戦隊司令官 |
41 | 草鹿 龍之介 | 第一航空艦隊参謀長 |
山口司令官は怒り心頭でした。



なぜ、我ら空母飛龍・蒼龍が外されなれなければ
ならないのだ!



なぜ、一期下の草鹿が第一航空艦隊参謀長として
真珠湾へ向かうのに・・・



なぜ、この私が
作戦計画から外されなければならないのだ!
次回は上記リンクです。