井伊直弼 15〜呆れるハリス〜|幕末維新

前回は「井伊直弼 14〜曖昧な姿勢〜」の話でした。

アロー戦争(Wikipedia)

隣国の中国で勃発したアヘン戦争とアロー戦争。

目付 岩瀬忠震(Wikipedia)

大変な事態だ・・・

幕府有数の明晰な頭脳を持つ岩瀬は、日本の危機を正確に感じ取っていました。

エゲレスと
戦うことになったら・・・

我が徳川は
確実に敗北する・・・

Townsend Harris(Wikipedia)

我がUSが、
Japanを守りましょう!

メリケン(米国)も
よく分からぬが・・・

このハリスという人物は、
なかなかの人物だ・・・

強硬で押しが強いハリスに対して、岩瀬は一定の親近感と信頼感を持ちます。

ある程度、
信用が出来そうだ・・・

一方のハリスもまた、岩瀬に好感を持ちます。

Japanの役人は、
動きが遅くて、どうしようもない。

頭も悪そうな
奴が多い。

しかし、この
Iwaseは、頭脳明晰でなかなかのものだ。

当時、徳川幕府の中には開国主義の人物もそれなりにいました。

その中でも、「全く鎖国的臭いがしなかった」と言われる岩瀬忠震。

メリケンに我が
徳川を守ってもらおう・・・

ここで、岩瀬は井伊大老からもらった「やむを得ない時」の言質を使うことを考えます。

井伊大老は、
「やむなく時は」とおっしゃった・・・

しかし、通商や貿易のことは
私はよく分からない・・・

具体的に前に進もうとする岩瀬でしたが、具体的内容を検討する能力はありません。

条約を
結びましょう!

OK!
では具体的に条約内容を詰めましょう!

テンションが上がったハリス。

これで、我が勤めを
果たせる!

ここで、岩瀬は思い切ったことをハリスに言います。

実は、我々は
通商や貿易はよくわからない。

OK!
私たちが教えましょう!

あなたは、
「我が国にも莫大な利益がある」と仰った・・・

その通りです!
莫大な金銀が入ります!

そこで、私と貴方の信頼関係が
あるので・・・

貴方の手で条約の草案を
作って欲しい。

えっ!!!

驚くハリス。

草案をこちらに作成しろ、
というのは・・・

聞いたことが
ない・・・

条約は、双方の国のメリットを
出し合って、話し合って進めるべきだが・・・

あまりに意外な進展に深読みするハリス。

何か罠があるのか?

貴方を信頼
申し上げる。

いや、どうも
本心らしい。

これまで、幕府の役人の牛歩戦術のようなやり方に怒りを感じていたハリス。

幕府重役の目付である岩瀬の思い切った提案。

ハリスは、この提案に半ば呆れ、半ば感動します。

それほど、
私を信頼してくれているのか・・・

後年、ハリスが日本滞在時に莫大な財産を築いたことが判明しています。

その意味では「かなり曲者」のハリスですが、岩瀬の嘘偽りのない姿勢に感動します。

我が国にも
利益大きよう、お願い致す。

澄んだ瞳でハリスを見つめる岩瀬。

分かりました!

作ってみましょう!

ここは我がUSの
利益第一だが・・・

Iwaseに免じて、
Japanのこともある程度よくしてやろう。

大老 井伊 直弼(Wikipedia)

この頃、井伊大老は、

岩瀬は
うまくハリスをあしらっているだろうか・・・

岩瀬の独断で、事態が進展しているとは夢にも思わずに、江戸で待っていました。

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