前回は「井伊直弼 12〜将軍決定〜」の話でした。

将軍が決定しましたが、さらに大きな「外国との条約締結」という大仕事があります。

俺が、はっきり
話をつけてやる!


米国からはハリスが交渉に来て、長らく徳川幕府と条約の交渉をしてきました。


1854年にペリーが来日して、徳川幕府が締結した日米和親条約。
日米和親条約には「米国公使の常駐」が明記されていたため、公使格として、ハリスは幕府と交渉を続けました。


徳川幕府側で交渉の窓口を勤めたのは、当時「幕府切っての秀才」と言われた目付 岩瀬忠震です。



こういう条件で良いか。



ちょっと待って下さい。



上役と相談します。



早めに回答を頂きたい。



承知しました。
「上役と相談」と言われてから、しばらく放って置かれたハリス。



イライラ・・・



一体、Japanは、
なぜこんなに話が進むのが遅い・・・



こんなにも
外交が進まない国は初めてだ・・・
長い時間をかけて、ハリスと岩瀬は交渉を続けてきました。
しかし、「外国大嫌い」の孝明天皇の「形式上の勅許」が降りません。
仕方なく、交渉の引き伸ばしを図る岩瀬。



いい加減にしろ!



あの話は、
どうなりましたか。



上役から、
条件をこうして欲しいと・・・



散々待たされた挙句に、
譲歩を迫ってくるのか。



ひょっとすると、
これはJapanの戦略か。



わざと、交渉を引き伸ばして、
相手の意気をくじくつもりか・・・



そんな戦略に乗せられて
たまるか!



分かりました。
それで良いでしょう。
即答するハリスに対して、岩瀬は驚きます。



えっ、
良いのでしょうか。



そうだ。
では、条約を締結しましょう。



再度、上役と
確認します。



早くして欲しい。



我が国は、交渉には
時間がかかりまして・・・



一体いつになったら
締結になるんだ?
イライラするハリス。
ここで、ハリスに驚きの情報が入ります。



UK,Franceが
Japanと条約を結ぼうとしている、だと?



ふざけるな!



俺が先だ!
ただでさえ、交渉が進まずにイライラしていたハリスは、怒りを爆発させます。



早く締結しろ!



そうは言いましても・・・
のらりくらりと引き延ばす岩瀬。
揉め続けている中、大老となった井伊直弼。



孝明天皇が認めぬのか・・・



先日、私と堀田老中とで
孝明天皇に勅許を求めにゆきましたが・・・



下級公家どもに阻まれました。


阻んだ下級公家とは、他ならぬ岩倉具視でした。
なんと、



大勢で
座り込みだ!
88人もの仲間と共に、御所の前で座り込みをして、行手を阻んだのでした。



座り込みだと・・・
非常に初歩的戦術ながら、徳川幕府の政治を邪魔した岩倉。



俺たちの勝ちだ!
この時、隣国 清(中国)で大変な事態が起きていました。


アロー戦争です。



これを利用して、
Tokugawaに圧力をかけてやる。
「次の手」に出ることを目論むハリスでした。