前回は「井伊直弼 4〜開かれる運命の扉〜」の話でした。

埋木舎での生活に、ピリオドを打った直弼。
井伊家を継げ!

ははっ〜!
将軍から世継ぎと認められます。
そして、1851年に35歳にして晴れて彦根藩主となります。
「長く暗い人生」を送ってきた井伊直弼は張り切ります。
今の時代の35歳ならば、ちょうど良いくらいですが、当時の35歳は今の感覚だと45歳くらいです。
「現代の45歳」まで「はみ出しモノ」だった直弼。
突然、泣く子も黙る名門 井伊家の当主・彦根藩の藩主となります。
西郷隆盛は、まだ島津斉彬の近習として活躍し出した頃でした。





最近は、
諸藩の動きが大きいが・・・・・



井伊家の話は、
あまり聞かないし、興味もない。
藩政改革に鋭意取り組み、彦根藩再興へと邁進します。



私が彦根藩を再興するのだ!



長らく学問に励んだことが、役立つのだ!
この頃、「徳川家康以来の英邁」謳われた一橋慶喜もまだ14歳。


井伊直弼も一橋慶喜も、これから時代の急速なうねりに巻き込まれてゆきます。
彦根藩主として大いに意気込む直弼。
のちに関わりを持つことになる吉田松陰は21歳で、諸国歴訪しながら色々と考えている状況でした。


学問をしっかり納め、優れた頭脳を持つ井伊直弼は、しっかりと彦根藩の運営を進めます。
しかし、時代が直弼を彦根藩に留めませんでした。
「埋木舎」にいた頃の直弼が「夢にも思わなかった」ような事態が次々と起こってゆきます。