前回は「「ノーサンキュー」のフィリップス提督〜英海軍司令官の矜持・悪夢のプリンス・オブ・ウェールズ撃沈・松永航空隊の強力な攻撃〜」の話でした。
海軍の先生=大英帝国に大勝利:「猿真似」から世界三大海軍国へ
日本側の圧勝に終わったマレー沖海戦。
「鳴り物入り」と表現しても良いほど、強気で乗り込んできたフィリップス司令官は、
Jap(日本人への蔑称)など
Prince of Walesで踏み潰してくれるわ!
当初、このように豪語し、
Japanには多数の航空隊が
いるようです・・・
真珠湾では、Japanの航空隊が
United Statesの多数の戦艦を撃沈した報告を受けています・・・
どうやら、最近のJapanの航空隊の
打撃力は侮れません!
このように「日本軍の航空隊の打撃力」への懸念を指摘する幕僚たちに対して、
Japanの航空隊は、古い機種で
力量も非常に低いと聞いている・・・
真珠湾は、戦艦は停泊していたが、
我が艦隊は機敏に動いている!
奴らが、我が艦隊の周りをビュンビュン飛んでいようが、
爆弾も魚雷も当たるはずがないわ!
このように考え、「日本を見下していた」フィリップス司令官。
英海軍軍令部から引き抜かれ「英海軍の宝」と言われていてフィリップス司令官。
大体、Japanが我がGreat Britainと
戦うこと自体、冗談ではないわ・・・
内心、こう思っていたでしょう。
そもそも明治維新以降、急速に近代化した大日本帝国および大日本帝国海軍。
幕末の弱小国から一気に世界の強国に躍進
幕末から明治維新の頃の日本は、佐賀藩・薩摩藩などで一部の藩が造船技術を持っていました。
我が佐賀藩は独自の
技術を磨き上げるのだ!
日本の公式の窓口であった長崎の警備を任され、長崎の隣に位置した大藩・佐賀藩。
佐賀藩第10代藩主 鍋島閑叟は先見性が鋭く、自国で当時の欧米と同等の技術を持ちました。
江藤新平と鍋島閑叟に関するエピソードを、上記リンクでご紹介しています。
明治維新によって、一気に近代国家へと「変貌した」というよりも「飛翔した」大日本帝国。
とにかく、欧米から
学ぶのだ!
「猿真似」と呼ばれようが、
構わん!
その後、急速な「欧化」を推進し「欧米と並ぶ」ために「欧米と似た国家となる」ことを目指した日本。
1890年には、「欧米らしい憲法」をアジアで初めて施行するに至りました。
そして、日清・日露の戦いを勝ち抜き、一気に世界の強国に躍り出た日本。
それでも、当時の大日本帝国の造船技術は貧弱で、ほとんどが大英帝国製でした。
東郷平八郎長官が座乗した、日本海海戦での旗艦三笠もまた大英帝国製です。
この時は、日英同盟によって「仲間」であった大日本帝国と大英帝国。
この「大英帝国」は「月とスッポンの結婚」と評価される状況でした。
そして、大日本帝国にとっては、大英帝国は「海軍の先生」という存在だったのです。
さらにガンガン海軍力を増強し「強国」を超えて、遂に海軍三強国となった大日本帝国海軍。
異常な大戦果に熱狂した大日本帝国:失墜した大英帝国のプライド
ま、まさか・・・
Japanに敗北するとは・・・
「完全な想定外の結果」となってしまったフィリップス司令官。
こ、こんな馬鹿なことが
ありえるのか・・・
当時、インド・オーストラリアなどに広大な植民地を有していた大英帝国。
幕末には、清国に戦争をふっかけて、「アジアの盟主」であった清国を叩き潰した大英帝国。
まさか、我がGreat Britainが
AsiaのJapanごときに・・・
優れた能力を持っていたフィリップス司令官でしたが、状況が理解できなかったでしょう。
プリンス・オブ・ウェールズが沈没する中、
おい!
俺たちを助けてくれ!
こっちの駆逐艦に
来るんだ!
大勢の英国の将兵は、駆逐艦によって救助されました。
航空隊名 | 爆撃機 | 雷撃機 | 合計 |
元山航空隊 | 9 | 17 | 26 |
鹿屋航空隊 | 0 | 26 | 26 |
美幌航空隊 | 25 | 8 | 33 |
合計 | 34 | 51 | 85 |
85機もの大航空隊で、英艦隊を攻撃続けた大日本帝国航空隊でしたが、
プリンス・オブ・ウェールズを撃沈した
以上、将兵救助の駆逐艦は攻撃するな!
武士を貫く姿勢から駆逐艦への攻撃を控えることを言明した松永司令官でした。
この結果、英海軍の戦死者は、戦艦沈没の割には比較的少なくなりました。
・・・・・
当時の「大英帝国海軍の顔」とも言えるフィリップス司令官は、海に沈んでゆきました。
プリンス・オブ・ウェールズが沈む際に、
No,
Thank you.
こう言って「退艦を拒否した」と伝わるフィリップス司令官ですが、
Phillips司令官は、
脱出して、泳いでいましたが・・・
Prince of Wales沈没による
海のうねりの中に巻き込まれて、戦死しました・・・
このように「フィリップス司令官は脱出を試みたが戦死してしまった」説もあります。
「プリンス・オブ・ウェールズ撃沈とフィリップス司令官の行方」は諸説ありますが、筆者は、
No,
Thank you.
こう「フィリップス司令官が言い残した」と考えます。
そして、大英帝国のプライドは、ズタズタに傷ついてしまいました。
プリンス・オブ・ウェールズとレパルスを
撃沈したぞ!
我が航空隊の強さを
世界に知らしめたのだ!
大日本帝国海軍は、大戦果に異常なほど熱狂しました。