Malayの叫び 4〜日本陸海軍とマレー〜|第二次世界大戦

前回は「Malayの叫び 3〜日本海軍と英国海軍〜」の話でした。

大日本帝国の進出(第二次世界大戦全史 洋泉社MOOK)

日本にとって、「主に対米戦」とも言える第二次世界大戦。

対米戦開始前から広大な中国大陸で戦い続け、真珠湾奇襲攻撃で「正式に第二次世界大戦に参戦した」とも言えます。

桁違いに強力だった米国に完膚なきまで叩かれたため、日本においては「太平洋戦争」と言われます。

後世から見ると、上の図のような感覚が強い「日本の第二次世界大戦」。

1942年2月の大日本帝国進出範囲(歴史群像 太平洋戦史シリーズN0.2 大捷マレー沖海戦 学研)

開戦直後は、「米太平洋艦隊の基地ハワイを攻撃した」のですが、上の図のようなイメージが強かったでしょう。

それまで日清戦争・日露戦争を勝ち抜いた大日本帝国にとって、戦争の主眼はアジアの大陸と南方の島々だったでしょう。

どちらの地図においても、「西の端」に位置するマレー。

この地では日本の対米戦の宣戦布告当初から、陸海軍協力しても猛烈な戦いが繰り広げられました。

山下 奉文司令官(Wikipedia)

陸軍は、後に「マレーの虎」と呼ばれる猛将 山下奉文 司令官が軍を率いています。

辻政信 作戦参謀(Wikipedia)

山下司令官の参謀は、極めて問題の多かった辻政信 作戦参謀でした。

非常に自己中心的な性格で知られる辻参謀は、海軍を率いる小沢治三郎長官に陳情にきます。

是非とも、
我が陸軍のマレーでの作戦を補佐して頂きたい!

小沢治三郎 南遣艦隊司令長官(別冊歴史読本 戦記シリーズNo.65 「空母機動部隊」新人物往来社)

承知した。
出来るだけのことをしよう。

陸軍にとっては、アジア・中国大陸は「主戦場」です。

一方、海軍にとっては、山本長官の視線が完全に米国に向いていました。

山本五十六 連合艦隊司令長官(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社)

大英帝国も
強力だが・・・

なによりも
まずは米国だ!

米国を何とかしなければ
ならん!

大日本帝国海軍の主力は、第一航空艦隊に集中していました。

第一航空艦隊(ビッグマンスペシャル 連合艦隊上巻 勃興編 世界文化社)

「空母機動部隊の生みの親」と言われた小沢治三郎 南遣艦隊司令長官には、非常に限られた戦力しかありません。

なんと、空母が一隻もない状況だったのです。

Winston Churchill英首相(Wikipedia)

我がGreat Britainの
底力を見せてやる!

そこに、チャーチル肝入りで、大英帝国の東洋艦隊が編成され、大日本帝国に襲いかかってくることになったのです。

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