前回は「Malayの叫び 3〜日本海軍と英国海軍〜」の話でした。

日本にとって、「主に対米戦」とも言える第二次世界大戦。
対米戦開始前から広大な中国大陸で戦い続け、真珠湾奇襲攻撃で「正式に第二次世界大戦に参戦した」とも言えます。
桁違いに強力だった米国に完膚なきまで叩かれたため、日本においては「太平洋戦争」と言われます。
後世から見ると、上の図のような感覚が強い「日本の第二次世界大戦」。

開戦直後は、「米太平洋艦隊の基地ハワイを攻撃した」のですが、上の図のようなイメージが強かったでしょう。
それまで日清戦争・日露戦争を勝ち抜いた大日本帝国にとって、戦争の主眼はアジアの大陸と南方の島々だったでしょう。
どちらの地図においても、「西の端」に位置するマレー。
この地では日本の対米戦の宣戦布告当初から、陸海軍協力しても猛烈な戦いが繰り広げられました。

陸軍は、後に「マレーの虎」と呼ばれる猛将 山下奉文 司令官が軍を率いています。

山下司令官の参謀は、極めて問題の多かった辻政信 作戦参謀でした。
非常に自己中心的な性格で知られる辻参謀は、海軍を率いる小沢治三郎長官に陳情にきます。

是非とも、
我が陸軍のマレーでの作戦を補佐して頂きたい!





承知した。
出来るだけのことをしよう。
陸軍にとっては、アジア・中国大陸は「主戦場」です。
一方、海軍にとっては、山本長官の視線が完全に米国に向いていました。





大英帝国も
強力だが・・・



なによりも
まずは米国だ!



米国を何とかしなければ
ならん!
大日本帝国海軍の主力は、第一航空艦隊に集中していました。


「空母機動部隊の生みの親」と言われた小沢治三郎 南遣艦隊司令長官には、非常に限られた戦力しかありません。
なんと、空母が一隻もない状況だったのです。





我がGreat Britainの
底力を見せてやる!
そこに、チャーチル肝入りで、大英帝国の東洋艦隊が編成され、大日本帝国に襲いかかってくることになったのです。