明智光秀を超重視していた織田信長〜京を囲んでいた明智家の領土・日本の中枢を押さえた近畿管領・近畿で人生を過ごした光秀・細川藤孝と筒井順慶の背景と軍事力〜|本能寺の変16・戦国時代の終焉

前回は「織田家No.2の座を確立した明智光秀〜信長から中国出陣を命ぜられた光秀・「秀吉の援軍」ではなく「信長の代理」・中央で対朝廷幕府に不可欠の光秀・織田家の「敵ではなかった」毛利家・信長の盟友徳川家康の接待役〜」の話でした。

織田信長と明智光秀(新歴史紀行)
目次

近畿で人生を過ごした光秀

戦国大名 織田信長(歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研)

徳川家康を安土城に招待して、接待していた織田信長。

20年以上の「異例に長い同盟関係」が続き、織田と徳川で未来を切り開いてきました。

織田家重臣 羽柴秀吉(歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研)

ここで、羽柴秀吉から「対毛利の援軍の早馬」がきました。

上様!毛利が大軍で
乗り込んできましたので・・・

上様ご自身大軍を率いて
ご出馬下さい!

家康の接待も大事だが、
光秀が準備万端にしたから・・・

光秀よ、
猿(秀吉)の援軍へ行け!

はっ!
直ちに!

「秀吉の援軍」を命じられた光秀。

若き頃は、「諸国を放浪した」説が有力ですが、越前朝倉家に寄寓していた光秀。

そして、対朝倉戦で光秀は一時的に越前の戦場に向かうことがあっても、

はっ!
直ちに!

光秀は、概ね近畿で過ごしました。

光秀の人生(図説明智光秀 柴裕之編著 戎光祥出版)

京を囲んでいた明智家の領土:日本の中枢を押さえた近畿管領

丹波平定後の光秀の領地(図説明智光秀 柴裕之編著 戎光祥出版)

光秀の直轄領の近江・丹波は、京・山城を挟む位置にありました。

そして、光秀の二つの拠点である坂本城と亀山城は京・山城を囲むように位置していました。

信長は、光秀を最初から最後まで重用していて、大事にしていたのでしょう。

光秀は、
手元に置いておきたい・・・

奴が近くにいないと、
何かと困る・・・

有難き
幸せ!

そして光秀もそれに懸命に応え、懸命に働いていたのでしょう。

1579年に、光秀は丹波を悪戦苦闘の末に平定します。

その翌1580年に、当時織田家最大の軍団を率いていた佐久間信盛が突然追放されます。

織田家重臣 佐久間 信盛(Wikipedia)

佐久間!
お前は追放だ!

えっ!!!
なぜですか?

第一、
お前は使えない。

そして、昔、余に
逆らった。

一生懸命、
信長様に使えてきたのに・・・

明智光秀を超重視していた織田信長:細川藤孝と筒井順慶の背景と軍事力

1582年の織田家勢力図(別冊歴史人 「戦国武将の全国勢力変遷地図」KKベストセラーズ)

そして、佐久間信盛の寄騎であった丹後・長岡(細川)藤孝や大和・筒井順慶たち。

彼らは、一斉に明智光秀の寄騎となります。

よいか!
光秀よ!

筒井たちは、
お前の寄騎だ。

はっ!
有難き幸せ!

長岡も筒井も、もともと光秀とは親しい間柄でした。

この時点で、明智光秀は近畿を支配・差配する立場になったと言えます。

明智軍団は、
非常に強力だ!

戦闘力では、柴田殿の
北陸軍団が最強だが・・・

総合力では、
我が明智軍団が織田家最強!

羽柴軍団には、名軍師・黒田官兵衛(如水)や弟の羽柴秀長がいます。

羽柴家家臣 黒田孝高(図説・戦国武将118 学研)

と言っても、まだ官兵衛は若手の一人で、立場もそれほど高くありません。

織田家家臣 筒井順慶(Wikipedia)

対して、歴戦の士で興福寺と関係があり、大和に根強い力を持った筒井順慶。

「洞ヶ峠」の事もあり、筒井順慶の評価は低いですが、相応の猛将でした。

戦国大名 細川藤孝(幽斎)(Wikipedia)

そして、幕府とも関係ある名家出身の細川藤孝。

後世「足利・織田・豊臣・徳川の四つの時代を特等席で乗り切ったただ一人の人物」と言われる藤孝。

藤孝自身も、その教養・政治力だけでなく、そうおうの軍事力を有する優れた人物でした。

さらに、超名家で室町幕府の中枢ともつながる細川家は、隠然たるパワーを有します。

彼らを光秀の配下においたことは、信長の光秀に対する視線を示していたのでした。

信長の異常なまでの「光秀に対する厚遇」を。

細川殿がいれば、
「細川」の力で近畿に大きな影響が持てる・・・

さらに、筒井殿は、なんといっても、
仏教勢力を背景にしている・・・

さらに、信長様の親族である
池田たちも、我が寄騎・・・

まさに、近畿管領である
明智家にふさわしい陣容だ!

光秀!
お前に最も期待しておるぞ!

信長は光秀に期待しているからこそ、「信盛を追放して、光秀に軍団を継がせた」とも言えます。

新歴史紀行

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