前回は「第二次世界大戦における日本の歴史〜映画「連合艦隊」〜」の話でした。

今回は同映画に登場する人物を取り上げて、連合艦隊の本質に迫ってゆきたいと思います。
まずは山本五十六です。
おそらく、A級戦犯として、諸外国から攻撃を最も受けている東條英機と同程度に高い知名度でしょう。

とにかく「海軍といえば山本五十六」です。
この映画では、山本長官は、頑ななまでに「真珠湾奇襲攻撃」を主張します。

奇襲攻撃のような奇手を実施しなければ・・・



米国に勝つのは不可能!
そして、軍令部の反対を押し切る模様がうまく描かれています。
開戦時、真珠湾奇襲攻撃に猛烈に反対していた、伊藤整一軍令部次長。





こんな、博打のような作戦は、
承認しかねます。
敗戦間際に、第二艦隊司令長官として登場します。
第二艦隊を率いて、「沖縄に殴り込みをかける」事実上の海上特攻作戦を指揮をするために戦艦大和に乗艦します。
伊藤は、軍人ならぬ穏やかそうな表情の方です。
山本五十六が真珠湾奇襲攻撃を主張した際に、海軍作戦の「事実上の最高意思決定者」軍令部次長だった伊藤。
次長は政府高官とも言え、大変な権限を持ちます。
伊藤は最後の最後まで、「危険すぎる」と真珠湾奇襲攻撃に反対しています。


しかし、最後には真珠湾奇襲攻撃を山本に押し切られます。



山本長官が辞任をチラつかせて、強硬手段に出てきた・・・
しばらく「作戦を指示する」軍令部にいた伊藤。
最後に、対米戦いの最前線へ。
敗戦直前の1945年4月に「一億総玉砕」の先駆けとして「海上特攻」作戦指揮を決意します。



この海上特攻は、無理だ!



一億総特攻の先駆けとなって頂きたい。



・・・・・



やむを得ない。
行きましょう!
第二艦隊司令長官として戦艦大和に座乗し、残り少ない艦隊を率いて一路沖縄目指します。


日本近海を出動した大和率いる第二艦隊は、早くも米軍に場所を探知され、総攻撃を受けます。
「そもそも不可能」と考えられていた、大和沖縄突入。
戦艦大和は米軍航空機から次々と爆撃・雷撃を受けます。
被弾が続き、速度が落ちて大きく傾斜する大和。



もはや沖縄突入は不可能!



作戦を断念する!
突入を判断した伊藤長官は総員退去を命じ、残存する駆逐艦に可能な限りの救命を指示します。



多数の若者を死なせてしまった・・・
そして、自らは長官室へと行き、鍵を下ろしました。



私は責任を取り、戦艦大和と共に海に沈もう。
その扉は二度と開かれることなく、大和は沈没します。


映画「連合艦隊」は海軍内からキーパーソンを数名選び、その方々を軸にストーリーを展開します。
それぞれの人の立場が変わっている様子をうまく描いています。
この映画では、旧日本海軍の大きな流れが分かりますので、おすすめします。
ぜひご覧ください。

