立花道雪 17〜戦国最強の二人を父に持つ男への継承〜|道雪と紹運と宗茂

前回は「立花道雪 16〜武雷神の武勇を継ぐもの〜」の話でした。

立花道雪(歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研)

大友家が凋落して、風前の灯火となっている状況の中、

もはや
我が生命は・・・

「自分の人生がそれほど長くはない」とわかっている道雪。

あとは、
お前に任せた!

大友を、
大友家を頼む・・・

立花宗茂(歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研)

お任せ
ください・・・

父上・・・

立花道雪の長男である立花宗茂。

実は、「本当の長男」ではなく養子だったのです。

では、宗茂の実の父は誰かと言うと、

高橋紹運(歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研)

道雪と「大友の武力の両輪」とも言われた高橋紹運だったのです。

どうしても
長男が欲しい!

そもそも名家であり、自他共に認める「大友の柱」であり続けた道雪。

戦国の世にあっては、「後継者」である男子は必須です。

男子が
生まれなかった・・・

一人娘・誾千代は誕生したものの、とうとう男子とは縁がなかった道雪は失意に沈みます。

立花誾千代(Wikipedia)

・・・・・

父上。
養子をお取りになっては・・・

まあ、
そうなんだが・・・

「これぞ!」
という奴がおらんのでな・・・

そして、「我が養子を!」と戦いの合間に探していた道雪。

こいつは良い!
ぜひ、我が養子に!

高橋統虎(立花宗茂)(歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研)

紹運殿、
統虎殿をぜひ我が養子に!

これには、紹運は驚きを超えて、怒りました。

はっ?

なんといっても、統虎は紹運の「長男」であり、「大事な高橋家の後継」です。

道雪殿。
ご存じかと思うが・・・

統虎は我が長男!
あなたと言えど、絶対に渡せません!

そこをなんとか!

何言ってんだ!

元々仲良しだった道雪と紹運の関係。

この関係に「大きなヒビ」が入ったのでした。

なんとか!
大友家のために!

最後には、殺し文句の「大友家のために!」で紹運も折れました。

「大友家のため」か・・・

分かりました・・・

他ならぬ
あなただ・・・

他の家ならば、
絶対にやらぬが・・・

統虎を
立花家に出しましょう・・・

こうして、1581年に高橋統虎は、立花統虎となったのでした。

統虎よ、
わが立花家を頼む!

父上。
承知致しました。

こうして、戦国最強の実父と義父を持つ武将・立花統虎が誕生しました。

1582年頃の九州勢力図(歴史人2020年11月号 KKベストセラーズ)

高橋統虎が立花統虎となり、立花家に入った1581年。

まだ、龍造寺隆信がブイブイの勢いであり、道雪としては、

いずれ、
龍造寺と島津と決着をつける!

という気持ちだったのです。

それが、龍造寺隆信がこの世から消えてしまいました。

そして、龍造寺家の勢力が大きく減少するという「想定外」の事態となりました。

まさか・・・

龍造寺と島津と
それぞれ戦うつもりだったが・・・

龍造寺が島津に完敗し、
島津が龍造寺を取り込んだ・・・

もはや、
大友もいかぬのか・・・

「まさか」の事態が続き、暗澹たる気持ちなった道雪でした。

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