「必死」の戦い続けた大田実〜ツルハシで掘り抜いた海軍司令部壕・「想定外」だった帝国陸海軍の異常な抵抗・神風特別攻撃隊と玉砕〜|旧海軍司令部壕5・沖縄戦の巨大な爪痕

前回は「陸戦の大家・大田実司令官の渾身の指揮と沖縄戦〜「内地の最初の砦」沖縄:戦艦大和の沖縄突入と撃沈〜」の話でした。

目次

「想定外」だった帝国陸海軍の異常な抵抗:神風特別攻撃隊と玉砕

New Historical Voyage
旧海軍司令部壕(新歴史紀行)

1945年3月26日から開始した「内地の最終決戦」であった沖縄戦。

この頃、既に日独ともに「敗北が確定」している中、「ドイツはまもなく降伏」の状況でした。

New Historical Voyage
左上から時計回りに、Adolf Hitler独総統、Winston Churchill英国首相、Franklin Roosebelt米大統領、東條英機 首相(Wikipedia)

この頃は、すでに「サイパン陥落の責任」を取って東條内閣は退陣していました。

他の独米英は最高指導者は不変でしたが、ルーズベルト米大統領は1945年4月12日に病死しました。

日本にとっては「日独vs米英ソ」でしたが、諸外国では「独日vs米英ソ」の感覚でした。

つまり、「枢軸国はドイツがボス」であり、「日本はドイツと一緒」と言う認識でした。

Roosebelt

とにかく、Hitlerを
潰して、Axisを倒すのだ!

米国は、当初から「ドイツ重視」で大西洋戦線を中心に戦っていましたが、

Roosebelt

国力が遥かに劣る
Japanが思いの外、頑強だな・・・

帝国海陸軍が「米国の想定以上に頑強」であり、さらには、

Roosebelt

Suicide Attackだと・・・
Kamikazeか・・・

神風特別攻撃隊の出撃と玉砕により、太平洋戦線における米軍の死傷者数が激増しました。

New Historical Voyage
旧海軍司令部壕(新歴史紀行)

この中、沖縄では、塹壕を掘り続けて、米軍に徹底抗戦していました。

帝国海軍幕僚A

最後の最後まで
米軍と戦うのだ!

Roosebelt

なぜ、Japaneseは「絶対に敗北する」
のが分かっているのに、戦うのだ?

食料も武器弾薬が欠乏する中、食料も武器弾薬も豊富すぎる米軍に対して、

帝国海軍将兵S

我らが沖縄で
米軍を食い止めるのだ!

「沖縄から先に米軍を行かせない」ために、帝国陸海軍将兵は死闘を続けました。

New Historical Voyage
旧海軍司令部壕(新歴史紀行)

この狭い塹壕の中で、ひしめき合いながら、「最後の戦い」を米軍に挑んだのでした。

「必死」の戦い続けた大田実:ツルハシで掘り抜いた海軍司令部壕

New Historical Voyage
旧海軍司令部壕(新歴史紀行)
海軍司令部壕

ガガ〜ン!
ガガ〜ン!

帝国海軍将兵S

米軍の戦艦からの
砲撃が凄まじいな・・・

猛烈な砲撃を沖縄に加え続けた米軍に対して、この海軍司令部壕で籠っていた将兵は、

帝国海軍将兵S

よしっ、
これから米軍を攻撃にゆくぞ!

帝国海軍将兵S

この手榴弾で、
米軍を一人でも地獄の道連れにしてやる!

頃合いを見て、「決死」と言うよりも「必死」の覚悟で米軍に挑んでゆきました。

現代でも「必死」と言う言葉があり、

この仕事を必死で
頑張ろう!

「必死で頑張る」などの表現がありますが、本当に「必死=必ず死ぬ」の状況の中、奮戦した将兵たち。

New Historical Voyage
旧海軍司令部壕(新歴史紀行)

物資に事欠く中、この海軍司令部壕は、帝国海軍将兵が主にツルハシで掘り続けました。

日米戦の初期から、米国では土木工事には「土木工事のプロ」が投入され、

米軍将兵X

よしっ、ここに
飛行場を建設する!

米軍将兵X

ブルドーザーなどの
重機を大量投入だ!

当時、すでにブルドーザーを持っていた米軍は、重機で工事をガンガン進めました。

対して、帝国陸海軍では、ブルドーザーは「存在しない超越的機械」でした。

帝国陸海軍将兵E

この機械はブルドーザーと
言うらしいが・・・

帝国陸海軍将兵E

これは、凄まじく作業が
はかどる、すごい機械だ・・・

「ブルドーザーを初めて見た」将兵も多く、時々ブルドーザーを捕獲して使用したものの、

帝国陸海軍将兵E

我が国でも、
このような重機が作れたら良いのだが・・・

鉄などの原料にも事欠いた大日本帝国では、ブルドーザーは最後まで登場せず「ツルハシ主体」でした。

New Historical Voyage
旧海軍司令部壕(新歴史紀行)
海軍司令部壕

ガガ〜ン!
ガガ〜ン!

帝国海軍将兵S

しっかり掘って補強しているから、
この濠は崩されんぞ!

New Historical Voyage
大田実 沖縄根拠地隊司令官(丸別冊 太平洋戦争証言シリーズ13 最後の戦闘)
大田実

みんな、最後の最後まで
一緒に戦おう!

大田実

私も、この地で
皆と一緒に最後まで戦う!

そして、「敗北は100%確定」しており、「降伏しない限り、ほぼ100%戦死」の状況の中、

大田実

この沖縄で、
なんとか米軍を食い止めるのだ!

すでに、サイパンなどが陥落して、東京などがB29の射程圏内に入っていました。

そして、沖縄が陥落するときは、「大日本帝国の本格的瓦解」の始まりを意味しました。

大田実

なんとか、なんとか・・・
ここ沖縄で・・・

New Historical Voyage
旧海軍司令部壕(新歴史紀行)
帝国海軍幕僚A

大田司令官、
我ら皆で戦い抜きましょう!

「降伏する」と言う概念がなかった稀有な軍隊であった、大日本帝国陸海軍。

「生きて虜囚となるなかれ」の戦陣訓を守り抜く精神のみで、戦い続けました。

New Historical Voyage
戦艦アイオワ(Wikipedia)

そして、沖縄戦が開始して1ヶ月が経過し、

米軍将兵Y

これだけ大量の砲撃をしても、
Japanは、まだ抵抗を続けている・・・

米軍将兵Y

長期戦は
覚悟していたが・・・

米軍将兵Y

周囲を戦艦や空母に囲まれて、
どうやって戦っているんだ・・・

1945年5月になっても、大田司令官率いる帝国海軍と牛島司令官率いる帝国陸軍は戦い続けました。

大田実

敗北することは
分かっている・・・

大田実

だが、出来るだけ
我らで米軍を食い止めるのだ!

大田実

この
沖縄で!

「絶望を超えた戦い」の中、大田司令官は必死に軍をまとめて戦っていました。

「陸戦の大家」であった大田司令官は人望が厚く、絶望の中、将兵を鼓舞して戦い続けていました。

New Historical Voyage

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

目次