「世界のYamamoto」の巨大な存在感〜冷静極まりない米政府と米軍首脳部・ルーズベルト大統領の思惑・Nagumoの腹を探るキング司令官〜|真珠湾奇襲攻撃74・太平洋戦争

前回は「戦争と「横綱破った大関」を混同した幼い発想の草鹿龍之介参謀長〜山本長官の命令無視をする気満々の草鹿参謀長・作戦命令を催促する山口多聞司令官〜」の話でした。

目次

冷静極まりない米政府と米軍首脳部:ルーズベルト大統領の思惑

Franklin Roosebelt米大統領(Wikipedia)

連合艦隊司令部と第一航空艦隊司令部が揉めている間、米政府及び米軍首脳部は極めて冷静でした。

そして、ルーズベルト大統領は「万全の開戦準備」を進めます。

Roosebelt

いよいよ
Japanが我がUSを攻撃してきたか・・・

Roosebelt

真珠湾を攻撃した、
Japanの海軍の状況は?

Cordell Hull米国務長官(Wikipedia)
Hull

どうも、US海軍の情報では、
Japanは、作戦を切り上げた模様です。

Roosebelt

うむ・・・
そうか・・・

Roosebelt

想定していた攻撃だが、
想定外の被害になったな・・・

Hull

はっ・・・
少しJapanを甘く見すぎました・・・

実際、ルーズベルト大統領やハル長官から見れば「はるか格下」であった大日本帝国。

Roosebelt

戦艦などの艦艇は、
我が国力の総力をあげれば、埋め合わせは可能だ。

Roosebelt

問題は、
亡くなった将兵たちだ・・・

Roosebelt

何人くらい
亡くなったと考える?

Hull

2,000名を
超えるかと・・・

Roosebelt

2,000名を超える
我がUSの誇り高き将兵が亡くなったのか・・・

Roosebelt

・・・・・

Roosebelt

Japanには、この攻撃を
後悔させねばな!

Roosebelt

必ずや、
Japanに大きな後悔をさせて見せる!

ルーズベルト大統領の瞳が輝きました。

「世界のYamamoto」の巨大な存在感

Harold Stark米海軍作戦総長(部長)
Stark

Nagumoは、いつMidwayを
攻撃するのだろうか?

Stark

あるいはNagumoは、Midwayを
攻撃しないのか?

Ernest King司令官(Wikipedia)
King

どうも、
その模様です・・・

King

現在、Nagumoは、Midwayからは、
遠ざかっています。

後に、米海軍軍令部長(総長)となり、全米海軍の指揮を取るキング司令官。

キング司令官は、潜水艦の式などで歴戦の強者であり、明晰な頭脳を持っていました。

南雲機動部隊のハワイ奇襲攻撃の航路図(歴史人2021年8月号 ABCアーク)
Stark

だが、これは
奴らの陽動作戦かもしれん・・・

King

確かに
その可能性はあります・・・

Stark

艦隊を分派させて、
Midwayを強襲するかもしれぬな・・・

米国大使館付武官時代の山本五十六:1925年頃(Wikipedia)
Stark

Yamamotoは、
これまでのJapaneseとは全然違う!

Stark

私は、ああいうJapaneseに
会ったことがない・・・

Stark

Yamamotoは、
欧米の軍人と比較しても別格だ・・・

Stark

Yamamoto・・・・・

Stark

冷静沈着で大胆なYamamoto・・・
あれほどの人物が・・・

Stark

あれほどの人物が、
大きなリスクを冒して・・・

Stark

手ぬるい攻撃をするとは、
到底思えん!

それほど、「世界のYamamoto」は米海軍にも巨大な存在感を持っていました。

King

私もYamamotoは、
もっと徹底すると考えます・・・

Stark

他ならぬ
Yamamotoのことだ・・・

Stark

引き続き、
Nagumoを追え!

King

はっ、
Halseyに命令します。

Nagumoの腹を探るキング司令官

空母Enterprise(Wikipedia)
King

Halsey
司令官よ!

そして、キング司令官は、前線のハルゼー司令官を呼びます。

William Halsey第二空母戦隊司令官(Wikipedia)
Halsey

はっ!

Halsey

一体
今度は何だ?

King

我らの情報部はJapanの暗号解読を
続けている・・・

King

だが、
Nagumoの魂胆が分からん!

空母Lexington(Wikipedia)
Halsey

Nagumoがどう出てこようと、
俺がブチのめしてやる!

King

ご苦労だが、
万全の体制を続けてくれ!

Halsey

了解!
Nagumoを補足中です。

感情的になっている日本軍司令部とは対照的に、冷静に合理的判断で動く米海軍司令部でした。

左上から時計回りに、山本五十六 連合艦隊司令長官、南雲忠一 第一航空艦隊司令長官、草鹿龍之介 第一航空艦隊参謀長、山口多聞 第二航空戦隊司令官(連合艦隊司令長官 別冊歴史読本 新人物往来社、歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研、Wikipedia)
草鹿龍之介

この作戦は
却下!

南雲忠一

さすがに
大丈夫か?

山口多聞

草鹿よ!
お前は一体何考えているんだ!

山本五十六

南雲よ、
やってくれるよな・・・

作戦指導の「合理性」の面で、米軍に著しく劣る日本海軍の体制でした。

次回は上記リンクです。

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