疾風の男・高杉晋作の際立った実行力〜大英帝国大使館焼き討ち・「書生の集まり」の所業を冷めた目で見ていた西郷と大久保・光り輝いた若き長州藩士たちの「書生的希望の光」〜|高杉晋作6・能力・人物像・エピソード

前回は「疾風の男・高杉晋作の目論み〜吉田松陰の強い影響・爆発する久坂玄瑞と高杉晋作・久坂を義弟とした吉田松陰・世子毛利定広の登場と沈黙する高杉〜」の話でした。

高杉晋作(国立国会図書館)
目次

疾風の男・高杉晋作の際立った実行力:大英帝国大使館焼き討ち

新歴史紀行
London(新歴史紀行)

当時世界一の国家であった大英帝国。

その英国公使館を焼き討ちするという、とんでもないことを計画した男たちがいました。

長州藩士 久坂玄瑞(義助)(国立国会図書館)

よしっ!
実行あるのみ!

そうだっ!
やるしかない!

長州藩世子 毛利定広(Wikipedia)

高杉に久坂、
ちょっと待て・・・

お前たちは、私の家臣となる人間だろう。
待てと言ったら、待て!

はあ・・・
分かりました・・・

一度は、長州藩の世子であった毛利定広の静止で「やむなく諦めた」高杉たち。

ところが、

やっぱり、
やってやろう!

と考え直した高杉たちは、本気で大英帝国大使館焼き討ちを実行しました。

実行者は長州藩の高杉・久坂・伊藤博文・品川弥二郎ら長州の若者たち。

長州藩士 吉田松陰(国立国会図書館)

吉田松陰の強い影響があるとは言え、信じ難いことではあります。

言葉だけではダメだ!
実行あるのみ!

よしっ!
やったぜ!

攘夷を
見せつけてやった!

この世界最強国を的に回す「焼き討ち」は「見せしめ的要素」が強いのが、現実でした。

そして、見方によっては「子どもっぽい印象」すら受けます。

「書生の集まり」の所業を冷めた目で見ていた西郷と大久保

薩摩藩士 西郷隆盛(国立国会図書館)

この頃は佐幕であった薩摩藩でしたが、仮に「長州藩と同じ立場」にあった時。

薩摩藩の西郷たちだったら、絶対にやらなかったでしょう。

大英帝国の大使館を
焼き討ち、だと?

なにガキっぽいこと
やってんだ・・・

長州藩は
ガキの集まりか?

年上の西郷から見たら、高杉たちの行為は拙速に映ったでしょう。

新歴史紀行
幕末志士らの年齢(歴史道Vol.6 朝日新聞出版)

この頃の長州藩士の攘夷のやり方は、日本国中に知れ渡ります。

そして、西郷隆盛ら薩摩藩士にとって「長州藩士はこういう人間」という固定観念が出来たでしょう。

長州藩というのは、
こういう藩なのか・・・

ちょっと、
よく分からないな・・・

こういうところが「書生っぽい長州人」と言われる所以でした。

光り輝いた若き長州藩士たちの「書生的希望の光」

新歴史紀行
London(新歴史紀行)

薩摩藩の西郷や大久保たちからみれば、「書生たちの悪ふざけ」にすぎなかった大使館焼き討ち。

しかし、その実行力は驚嘆するに値するでしょう。

口先だけで言うのは誰でも出来ます。

口先でなら、
なんとでも言える!

実行力が
全てだ!

当時世界一だった英国公使館を焼き討ちするなど、普通の神経ならば「恐ろしくて出来ない」のです。

この若者たちの一種「異様なノリ」こそが、長州藩の原動力でした。

新歴史紀行
初代内閣総理大臣 伊藤博文(Wikipedia)

後に、初代内閣総理大臣になる長州出身の伊藤博文。

若き日の長州藩士 伊藤博文(俊輔)(Wikipedia)

伊藤の若き頃は、「足軽に近い下級藩士」であり、高杉たちに腰巾着のように従っていました。

高杉さん、
久坂さんに続けぇ〜!

そして、彼らの若い命が光り輝き、幕末の時代に日本全土に光芒を放ちました。

その光によって現政権であった徳川幕府は、崩壊へと向かってゆくのでした。

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