豊臣家の水軍の柱となった加藤嘉明〜急速に膨張した羽柴家の版図と経済力と軍事力・唐入り目指して水軍強化した秀吉〜|松山城のたそがれ6・四国の歴史

前回は「羽柴家の水軍の要を目指す加藤嘉明〜小早川隆景の強力な水軍・「賤ヶ岳七本槍」の一人から羽柴家の要へ・羽柴家の増強を急ぐ秀吉の思惑〜」の話でした。

目次

急速に膨張した羽柴家の版図と経済力と軍事力

松山城(新歴史紀行)

松山城を築いた、羽柴秀吉の家臣であった加藤嘉明は、かなり武勇に優れた武将でした。

戦国大名 羽柴秀吉(歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研)

そして本能寺の変後に、急速に頭角を表した羽柴秀吉。

羽柴家の版図・経済力・軍事力はメキメキ上昇してゆきました。

この中、

我が羽柴家の
家臣団をもっと成長させねば・・・

と考えた秀吉。

この頃、羽柴家にはキラ星のごとく人材が集まってきていましたが、痛恨の一撃がありました。

新歴史紀行
羽柴家家臣 竹中重治・半兵衛(図説・戦国武将118 学研)

竹中重治(半兵衛)の病死です。

半兵衛には、
もう少し、もう少し活躍して欲しかった・・・

新歴史紀行
羽柴家家臣 黒田孝高・官兵衛・如水(図説・戦国武将118 学研)

この頃、秀吉の片腕となりつつあったのが黒田孝高(官兵衛)。

他にも加藤清正・福島正則たちがいるものの、

我が軍団を
もっともっと強化せねば!

羽柴家の急速すぎる膨張に対して、家臣団の整備がなかなかついてゆきません。

唐入り目指して水軍強化した秀吉

羽柴家家臣 加藤嘉明(Wikipedia)

よしっ!
嘉明には水軍を任せよう!

小早川隆景の寄騎として、水軍の将として成長してゆくことになった加藤嘉明。

当時、豊臣秀吉となっていた秀吉。

太閤 豊臣秀吉(Wikipedia)

小西行長も
水軍が扱える貴重な武将だ・・・

商人上がりながら、相応の政治力と軍事力を有していた小西行長。

彼もまた、急速に膨張する羽柴家において、急速に重きをなしつつありました。

羽柴家家臣 小西行長(Wikipedia)

しかも、行長は
佐吉(石田)とも仲が良い・・・

羽柴家家臣 石田三成(Wikipedia)

もう一人くらい、
豊臣家の水軍をまとめる人物が欲しい・・・

なんと言っても、将来は
唐入りするからな・・・

近い将来、朝鮮・中国に攻め込むことを既に考えていた秀吉。

それは、かつての主人であった織田信長の考えを継承したものでした。

戦国大名 織田信長(歴史群像シリーズ 図説・戦国武将118 学研)

朝鮮半島から中国に攻め込むためには、水軍の強化は非常に重要です。

水軍の本家は、
小早川と九鬼だ・・・

織田家家臣 九鬼嘉隆(Wikipedia)

織田家には、長らく「水軍といえば九鬼」と言われるほどの、九鬼嘉隆がおり、今は秀吉の傘下です。

九鬼ともワシは仲が良いが、
もともと九鬼は信長様の家臣・・・

つまり、ワシの同僚だった
家ゆえ、扱いが難しい・・・

やはり「元同僚」には、秀吉といえども遠慮してしまいます。

豊臣家の水軍の柱となった加藤嘉明

毛利家重臣 小早川隆景(Wikipedia)

自分の生え抜きの家臣団で、「強力な豊臣軍団」の構築を急いでいた秀吉。

ワシの子飼いの武将で、
小西以外にもう一人、水軍の将に。

隆景とワシは仲がよく、
小早川は豊臣に従うだろう。

嘉明よ。
頼んだぞ。

ははっ!

後世、海軍と呼ばれる水軍。

当時は軍船と言っても、船とたいして変わらないレベルなので、水軍と呼ぶのでしょう。

小早川隆景の下で水軍を学び、小田原攻めなどでは、豊臣軍の水軍を率いた加藤嘉明。

もうすぐ30歳の若手武将でした。

私が水軍の
第一人者だ!

戦国大名 徳川家康(Wikipedia)

この頃、明確な秀吉の対抗馬であった徳川家康。

当然のことながら、家康もまた徳川軍団増強に力を入れていました。

ここで、秀吉はこの「徳川家増強」を防ぐために、奇策を弄しました。

なんと、徳川家を駿河・遠江・三河・甲斐・信濃から、関東へ移封した秀吉。

これで、徳川家は
弱体化するだろう!

屈強な三河武士を率い、比類ない強さを見せつけてきた徳川家。

住み慣れた浜松から、
ど田舎の江戸か・・・

全く土地勘のない地域へ、移封され、家康は

我が家も水軍を
増強したい。

旧武田家の家臣団で、
水軍の強者がいる!

しかし、当面は、
新しい領国の運営で手一杯だ。

家康がこの状況の中、加藤嘉明は豊臣家の水軍を束ねる人物として、急成長してゆきます。

そして、加藤清正・福島正則たちと並んで、豊臣家を支える立場になってゆきます。

羽柴家家臣 加藤清正(Wikipedia)

水軍では、
日本一を目指す!

羽柴家随一の水軍の将となり、
日本随一の水軍の将となる!

若き加藤嘉明は、燃える心で成長してゆきます。

新歴史紀行

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